コロナ後の世界に残したい激闘10撰~青木真也×エディ・アルバレス~

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格闘技界きっての大晦日男と言えば青木真也をおいて他にいないでしょう。廣田瑞人の腕を捻り上げて物議を醸したかと思えば、長島☆自演乙☆雄一郎の膝蹴り1発で失神するなど、勝っても負けてもファンの記憶に残る試合を重ねてきました。そんな青木の大晦日の試合で特に印象的だったのは2008年のDynamite!!で行われたエディ・アルバレスとの一戦です。

DREAMに上陸したアルバレスは破壊的な強さで進撃。ライト級GPではアンドレ・ジダ、ヨアキム・ハンセン、川尻達也を連破して決勝に進出しました。本来であれば青木と決勝を戦うはずが、川尻のパンチで眼窩底を骨折。無念のドクターストップで涙を飲んだという経緯があります。言わば幻の決勝戦。アルバレスの無慈悲な打撃と言わずと知れた青木の寝技。両極端のファイトスタイルはどちらに転ぶにしてもKOか一本で試合が決まるのは間違いありません。心拍数全開のまま試合が始まりました。

スタンドで圧力をかけるアルバレスに対してグラウンドで虫のような動きで寝技に引き込もうとする青木という想定通りの流れ。徐々に圧力を強めてコーナーに追い詰めるアルバレス。嫌な予感が充満しますが、アルバレスのミドルキックをキャッチした青木はそのままグラウンドに引きずり込む。そのまま一気呵成に足関節を取ってヒールホールドで絞め上げると耐えていたアルバレスはタップアウト。グラップラーとストライカーの頂上決戦は青木が勝利しました。

短時間決着でしたが打撃と寝技がハイレベルでクロス試合好試合。存分に堪能させていただきました。そして試合直後に「PRIDE買ったダナ・ホワイトよく聞け、日本がトップだコノヤロー!」という青木のマイクが当日のPRIDEファンの気持ちを代弁していてグッときたのは私だけではないでしょう。そうかと思えば閉会式で「日本がトップだなんて言ってしまったんですが、UFCも最高です」と照れ臭そうにマイクを握った青木の人間臭さがなんとも憎めなかった2008年の年の瀬でした。
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