<ウェルター級/5分3R>
ロミ・ハメッド(ロシア)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
フランク・カリロ(米国)
サウスポーのハメッドが右サイドキックから右ハイ、スイッチして左ミドルを蹴っていく。右フックで前に出るカリロはハイをかわして組みに行くが、突き放したハメッドが左ロー、スイッチを織り交ぜて足を削っていく。そのローがカリロの急所に入り、試合は一時中断。再開後、右を振るって前に出たカリロに左ボディを突き刺したハメッドが、ケージを背負った対戦相手にローを入れる。
試合が中央に戻ると、カリロは引き続き右フックを出しながら前に出るもハメッドがサークリングでかわす。左ミドル、右前蹴りを腹に入れるハメッドは右ハイ、二段蹴りからワンツーを繰り出す。さらに左ローも、カリロが右フックを当てる。直後に前に出てパンチを纏めようとしたハメッドだが、ここもタイミングを計るように手数は増えない。左フックをヒットさせたカリロは、直後の接近戦でヒザをボディに受けて離れ、初回が終わった。
2R、右前蹴り、ジャブ、右ローを蹴るハメッド。カリロがステップインして、右フックを見せる。離れて右を当てたハメッドは、右ハイの空振り直後に右をヒット。さらに組みに来たとこでヒザを入れ、離れてジャブを打っていく。
カリロは手数が減り、右に回るハメッドを追えなくなる。組みを切って、細かいパンチを纏めたハメッドに対し、カリロも左フックを届かせ蹴り足をキャッチして、フックを放つ。アドバンテージはハメッドにあるが、パンチの当たる距離にはそれほどステイせず、回りつつ前に出で、単発の打撃を入れる戦いを続ける。カリロの流血が目立ち、一旦ドクターチェックが入るが試合は再開され、捌いて当てるハメッドが、この回も取った。
最終回、中継陣がハメッドの戦い方にストレスを感じるような試合展開がここも続く。右に回り続けるハメッド、観客がいれば大きなブーイングが起こっているだろう。蹴り、届かないフックを見せて回るハメッド。カリロは左フックを振るって前に出る。左を見せたハメッドが、右ストレートを当てるとカリロが後退。と、ここでもハメッドは右に回り、省エネ・ファイトを展開。カリロも追い切れず、フックを放って前に出ても距離を取られてしまう。
残り1分、ハメッドは左ジャブを2発、右サイドキック、左ストレートを左に回りながら繰り出す。逆にカリロの左右のフックを被弾したハメッドは、ここからもサークリングを続け──タイムアップに。判定勝ちを手にしたが、ポジティブな印象を残すことはできなかった。