【写真】とにかく反骨心と気の強さが伝わってくるジェシカ・アイだった (C)LILI LEE
13日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで UFN172:UFN on ESPN+30「Eye vs Calvillo」が開催される。11日(木・同)には同大会出場主要ファイターのバーチャルメディアデイが行われた。
ここではメインでシンシア・カルヴィーロと対戦するジェシカ・アイの質疑応答の模様をお届けしたい(※要約)。
フライ級が新設されると、過去5試合で4勝1敗──その一戦が世界戦でヴァレンチーナ・シェフチェンコに敗れたタイトル戦というジェシカ・アイは、女子MMAが認められていなかった──男社会のMMA界で戦ってきた自負が感じられる質疑応答となった。
──皆がクレイジーな時間を過ごし、この試合を迎えることになったと思うけど、パンデミックの状態で今回の試合はどのようなチャレンジになるのだろうか。
「私は凄くポジティブな人間だから、パンデミックが始まった週にゼブラマットを買って、壁にもパットを貼り、自宅にレスリングエリアを創ったの。ケトルベルでウェイトをやってね。ラスベガスは3月15日から全てがクローズダウンし、ジムもUFC PI閉められたけど……その週からトレーニングをしてきたわ。
去年の12月にちょっとしたヒジの手術をして少し休んでいたし、この間は人との接触は家で弟とボーイフレンド以外はしていないから、これ以上のチャレンジはないと思っているわ」
──グレイ・メイナードとのトレーニングでレスリング力がついたのでは?
「グレイはNCAAレスラーだし、私のインサイドトリップ、アウトサイドトリップ、シングルやダブルレッグは彼の質に近づいたはずよ。その結果、打撃もより良くなったと言えると思う。ただ、この間は彼にも家族……子供たちがいるから、一緒に練習することはできなかった。それでもEYE PIで柔術やレスリングをしてきたから問題ないわ」
──EYE PI(笑)。前回のビビアーノ・アラウージョ戦では計量に失敗したけど、心配は?
「全くないわ。この業界は90パーセントが男性で、要は男社会なの。その部分について、あなたたちは分かっていないことが多いのよ。私は栄養士についてもらっていて、普段からパンすら食べない。そういう生活をしているなかで、ダイエットをして……でも、ほんの少しでもそういう女性特有のモノで減量は大きく影響するものなの。私たちには子供を産むという役割もあって、私はそれを望んでいるの。
だから万全を尽くしているし、そういうことが起こらないようにも務めている。でも、あなたには分からないことがあるのよ。今回はしっかりと落とせているわ」
──シンシアは寝技に優れているけど、試合の鍵はどこになると思っている?
「私は階級やスタイルに関わらず、全ての女子選手を尊敬しているわ。そして、本当に多くの人が彼女が私より寝技が上手いだとか、怖くないかって言ってくるけど、私は柔術の黒帯と一緒にトレーニングしているの。彼はグレイシー・ファミリーから黒帯を巻かれているのよ。ずっとグラップリングの練習をしてきたし、皆が思っているほど彼女の寝技が私に対してアドバンテージになっているとは思ってないわ。
私だって一本勝ちしてきたし、これからも対戦相手をサブミットするだろうし。試合なんだから、別に勝てれば寝技で仕留めなくても良いけど……グラウンドの展開になるなら、ちゃんと自分の力をそこでも見せるから(笑)」
──人々に軽く見られていると思う?
「分からないわ。私の周囲にいる人はそうではないし、私のことを信じてこの試合を楽しみにしてくれている。500人ぐらいの人がインターネットでいうことを意識しないようにしているから」
──この試合に勝てば、タイトル挑戦がまたあると考えているかい?
「今、私はこの試合のことしか考えていないの。この試合は私のグラウンドでの技量が試される一戦だし、本当にこれからのことなんて考えていないのよ。オファーがあった時にメインイベントだとは聞かされていなかったし、『誰がメインなの?』って感じで。で、ダナ・ホワイトが私とシンシアがメインだと言って、もうやるだけでしょって。
この試合がメインに値するのか疑問視する人もいるでしょうけど、UFCで2週連続メインイベントが女子の試合だなんて、世界が変わった証拠じゃない。素晴らしいことよ。女子の試合は見ないよって感じから、女子の試合だから見たいって時代になったのよ」
■UFC172対戦カード
<女子フライ級/5分5R>
ジェシカ・アイ(米国)
シンシア・カルヴィーロ(米国)
<ミドル級/5分3R>
カール・ロバーソン(米国)
マーヴィン・ヴェットーリ(イタリア)
<バンタム級/5分3R>
マラブ・デヴァリシビリ(米国)
レイ・ボーグ(米国)
<フェザー級/5分3R>
アンドレ・フィーリ(米国)
シャルル・ジョーダン(カナダ)
<バンタム級/5分3R>
ジョーダン・エスピノーサ(米国)
マーク・デラロサ(米国)
<ライト級/5分3R>
チャールズ・ロサ(米国)
ケヴィン・アギラー(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
ジュリア・アヴィラ(米国)
ジナ・マザニー(米国)
<フライ級/5分3R>
ライアン・ベノイト(米国)
タイソン・ナム(米国)
<フェザー級/5分3R>
ジョーダン・グリフィン(米国)
デリック・マイナー(米国)