【Bu et Sports de combat】武術で勝つ。型の分解、サンチン編─02─「力を入れるのではなくて──」

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【写真】サンチンの動きで、MMAに勝てたとしてもタマタマです。ただし、サンチンを習得してMMAの戦い生かせることは、確実にある (C)MMAPLANET

武術でMMAを勝つ。空手でMMAに勝利する──型を重視する剛毅會の武術空手だが、岩﨑達也宗師は「型と使って戦うということではない」と断言する。型稽古とは自身の状態を知り、相手との関係を知るために欠かせない。

サンチン、ナイファンチ、セイサン、パッサイ、クーサンクーの型稽古を行う剛毅會では、まずサンチンから指導する。そんな剛毅會の稽古には站椿が採り入れられている。5種類の型稽古にあって、唯一サンチンのみが意味を吸いて吐くという意味での呼吸を学ぶことができる。

全ての根幹となる武術の呼吸を学ぶことができる──サンチンの解析、第2回を行いたい。

<サンチン解析第1回はコチラから>


足の幅は肩幅より少し広く取り、爪先をやや内側に向け、同じ方向にヒザを向け両腕を胸の前で交差させて両腕受けの姿勢に。この構えを取ることで後ろや前、横から押されても崩れない強い姿勢となる。

ヒザを曲げるのではなく、同じ方向に向けることでヒザに力がある状態となる。前足のカカトと、後ろ足の爪先が同一線上となるよう気を付ける。『この時、前足のカカトと後ろ足の爪先が延長線上で交わる地点を三角形の頂点となるように意識する。この三角形の頂点を意識することが、続く動作で非常に大切になる』。

✖爪先が内側に向き過ぎると、押されることで崩れてしまう弱い姿勢に。

拳は起式の際の下げた肩の高さに。ワキは拳が一つ入るぐらいのスペースを創る。『両腕を胸の前で交差させる時に腕を絞ることで、体の中心のある強い姿勢がとれ、目も見えるようになる。サンチンの形によって内側のエネルギーの大きな違いが生じるので、腕を絞る時も力を入れて無理に絞ることは厳禁』。

【最重要ポイント】サンチンの型で最も大切なことが力を入れないこと。力を入れて取られた姿勢は、両腕受け拳が内から外に向いて動いた場合に外に行く力は強いが、逆の方向には弱くなる。力を入れるのではなくて、型から力が出てこなければならない。そうなると逆の方向へも中心ができることで強い構えとなる

✖ワキが空き過ぎる。ワキが拳一つ以上空くと、ここでも体の中心を失い、横からの力に弱い構えとなる

✖ワキが閉まり過ぎると──後ろからの力には強いが、前方からの力に弱くなる

<この項、続く>

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