【UFC259】UFC史上初、反則負けでピョートル・ヤンがベルト失い。ステーリングが新バンタム級王者に

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
アルジャメイン・ステーリング(米国)
Def. 4R4分29秒 by DQ
ピョートル・ヤン(ロシア)

一気に距離を詰めて左ミドルを入れたステーリングが、ジャブの中で右ミドルや関節への蹴りを見せる。パンチから組みを見せたステーリングは、直ぐに離れつつ右を振るう。間断なく蹴り、パンチを続けるステーリングは、待ちの姿勢のヤンにヒザ蹴りを入れる。ヤンはローこそ返すが、打撃で前に出ることはなく蹴り足をキャッチしてテイクダウン。

蹴り上げで顔を蹴られ離れたヤンは、続いてスタンドに戻ったステーリングの跳びヒザを被弾する。残り半分でダブルレッグを決めたステーリングが大きな振りの鉄槌を落とす。ヤンはスクランブルから立ち上がりバックへ。胸を合わせてきたところで右を見せ、距離を取ったヤンが右ストレートを打ち込む。後方に倒れてから、起き上ったステーリングだがローでバランスを崩し、蹴り上げで足を振りまわして立ち上がる。

続く組みでワキを差されたステーリングが、なんとカニバサミから足関節を狙う。これを許さずスタンドに戻ったヤンはバックを取り、頭からスラムする。動きが落ちたステーリングはシングルレッグ、ハイクロッチでリバーサルを狙い、スタンドに戻るとスピニングバックフィストを狙ったところで時間となった。

2R、右フックの直後に組み、離れたステーリングが左ハイを狙う。ヤンはハイキックでバランスを崩したステーリングをがぶる。後方に引き込んだステーリングに、ヤンはローを蹴る。ブレイクで立ち上がったステーリングが腹を蹴り、シングルレッグも潰されダブルに移行し起き上り、ケージに詰めて再びダブルへ。

ケージを背にして耐えるヤンは、前方に崩されるもバックを取られないようにすぐに胸を合わせた立ち上がる。執拗にダブルを仕掛け、ヤンを削っていくステーリング。ただし、この攻防は自らの削られる可能性がある。シングルレッグはスネを当てて片足で耐えるヤンにセコンドはハラショーという声を掛ける。

ここからヒザを見せたヤンは、離れたステーリングのスピニングバックエルボーをかわす。それでもステーリングは細かいパンチからエルボーを入れて前に出るが、組み合いでバックに回ったヤンが、スナップダウンで背中から落とし立ち上がるところでバックコントロールに。そのままラウンド終了となった。

3R、打撃戦から組んでヒザを入れるステーリングだが、動きは落ちているか。ヤンは左を伸ばし、組みをがぶってヒザを突き出す。ボディを入れ、オーバーハンドは空振りになったが、テイクダウン狙いを切って離れたヤンは、左から右を当てる。ヤンは左ミドル、ステーリングは右ミドルを返すが、パンチを受けて下がる。ボディからヒザを放つステーリングが、シングルを切られバックから蹴られそうになる。左を当てたヤンは、右ローから組んで大外刈りを決める。

ステーリングが立ち上がるのを待ったヤンは、テイクダウン狙いを切って蹴りを入れる。ステーリングは徹底して組みを続けるも、ヤンは切ってヒザ蹴り。自らの回転拳でバランスを崩したステーリングは、立ち上がっても喉輪で倒される。スタンドで待ったヤンはハイをブロックし、シングルを切ると手をマットにつくステーリングにパンチを入れる。

立ち上がりながらスピニングバックフィストのステーリングは、一発狙いが目立って来る。ローを蹴り合い、右のパンチから組んでバックに回ったヤンが、スクランブルで上を取り時間に。

4R、蹴り足を捕まえ直ぐに倒れたステーリングは、シングルから立ち上がるもボディにパンチを受け、自らのボディを打ち返す。顔を守って腹を殴らせるヤンは、テイクダウンをことごとく切り左ストレートを打ち込む。右ミドルを入れたチャンピオンは、ケージに押し込まれても、右腕を差して押し返す。スピニングバックフィストは空振りにあったが、ステーリングが軸の無い回転系の蹴りやパンチを続ける。

腹を蹴られ、動きがさらに落ちたステーリングは左を被弾し、前に出ても右を打たれる。さらにヤンが左を入れると、ケージ際に下がりアイポークをアピールする。レフェリーは流し、テイクダウン狙いを切ったヤンがヒザを入れる。ステーリングは右ハイを2度見せるが力なく、テイクダウン切られ片ヒザをマットにつく。

ここでヤンは顔面にヒザを突き上げる。全く必要ない反則攻撃で試合が中断する。足を伸ばし、試合再開に消極的なステーリングだが、誰も文句を言うことはできない。

ステーリングは試合に戻ることはできず、試合はまさにアンフィニッシュド・ビジネスという感じでフィニッシュに。結果、ステーリングが反則勝ちで新UFC世界バンタム級チャンピオンに。しかし、ステーリングはベルトを放りだし、しゃがみ込んで涙にくれた。

ここまでの裁定ではステーリングが2票を集めていたということが明らかになったが、この裁定も首をかしげる。いずれにせよ、ヤンは全く必要のなかったUFC史上、初の反則攻撃でベルトを失うこととなった。

そして、ヤンはコーナーに蹴って良いかを尋ね、セコンドがイエスと返答して蹴ったということも明らかに。

勝利者インタビューでも涙のステーリングは「全てを賭けてやってきて、こんな形で終わるなんて、望んでいなかった。一進一退の攻防だけど2つ落としていた。こんなの……続けたかったけど、無理だったんだ。反則の攻撃で……。コーナーが蹴って良いと言った? 続けたかった。最初はハイペースでファンも楽しんでいたはずだ。フ〇ッ〇ン・ブ〇シ〇ト」と何とか言葉をつないだ。


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