イリー・プロハースカ「『武士道』を教えてくれた日本のファンに恩返しがしたい」

イリー・プロハースカのUFCデビュー戦が判明、7.11『UFC 251』でヴォルカン・オズデミアと対戦(2020年06月10日)

 こちらの続報。


【UFC】イリー・プロハースカ独占インタビュー「RIZINファイターがUFCでも活躍することで、日本に恩返ししたい」(ゴング格闘技)

 7月12日にアブダビで開催する『UFC 251: Usman vs. Burns』でヴォルカン・オズデミアを相手にUFCデビュー戦を行うイリー・プロハースカが以下のコメント。

──それにしてもオクタゴンデビューでオーズデミアとは、UFCも厳しい相手をぶつけてきたものだ。君の戦績もMMA26勝3敗1分けとすごいけど、17勝4敗のオーズデミアはこれまでUFCでダニエル・コーミエー、アンソニー・スミス、ドミニク・レイエスといった強豪にしか敗れておらず、現在はイリル・ラテフィ、アレクサンダー・ラキッチ相手に2連勝中、しかも15勝のうち12勝がKO勝利というストライカーだ。どんな印象を持っているかな。

「ヴォルカンが過去に誰に敗れたか、ということには関心が無いんだ。彼は僕と同じくキックボクシングがバックボーンで、パンチラッシュが凄まじく、ロー・ハイとキックも巧みだ。下がりながらでも倒せるパンチを持っているし、DC戦で見せたようにテイクダウンデフェンスも強い。タフな相手だよ。僕はただ、自分自身に集中するのみさ。自分のテクニック、スピード、精緻な動きを武器に、この大事なUFCのデビュー戦で、全力を尽くして勝利を勝ち獲りたいと思っているよ」

──そういえば君は『武士道』を何度も読み返しているようだね。

ミヤモト・ムサシが著したすべての巻が僕にとって非常に重要なものだ。『今日は昨日の自分に勝つために』『明日は自分と並ぶものに勝つために』『次は自分より上手な者に勝つために』という言葉は、今でもずっと実践している。特に『常の身を戦場の身に』と説く水の巻が好きなんだ。今回の試合もムサシの『相手があなたを山のようだと考えるならば、あなたは海のごとく攻めよ。そして彼があなたを海のようだと考えるならば、あなたは山のごとく攻めねばならぬ』という“サンカイ(山海)の心”を持って戦うよ」

──UFCでの目標を教えてほしい。

まずはUFCのデビュー戦に勝つこと。そしてタイトルを目指す(※現ライトヘビー級王者はジョン・ジョーンズ)。すべてのファイトに向けて、自分の肉体と精神を鍛え、熟達した“マーシャルアーツ”を皆さんにお見せできればと考えているよ。

 それに実は……僕はまだ学生なんだ。チェコのカレッジのスポーツアカデミーで学んでいる。ただ、忙しくてなかなか勉強する時間が取れなくて、カレッジの先生たちが配慮してくれて、『試験は試合後でいい』と言ってくれて、とても助かっているよ。つまり、僕はUFCと大学の2度の試験をクリアしなければいけない(笑)

──学生!? 君はもしかしたら世界最強の大学生かもしれないね(笑)。ところで、地元で君はチャリティー活動にも積極的に取り組んでいるようだね。自転車をプレゼントしている写真を見たよ。

「地元の病院の小児病棟で難病と闘う子供たちが少しでも笑顔になってもらえるよう、プレゼントを持って慰問したり、寄付をしているんだ。所属するJetsaam Gym Brnoの皆を始め、ファイターの自分が前に出ることによりメディアでも取り上げられ、寄付に賛同してくれる人々も現れ始めた。

 Facebookに投稿したのは、最近、18歳の難病の寝たきりの青年のために、外に出られるような特注のリカベント(電動自転車)のチャリティーに参加したときのものだよ。僕も多くの人に支えられて夢を実現させることが出来た。だから僕自身も子供たちに少しでも夢を与えられるように活動していきたいんだ。

 病院の中で寝たきりの彼が、外の世界を自転車で見て回ることが出来るんだ。とても喜んでくれて嬉しかったし、僕にとっても力となったよ」

──良いことをしたね。君の人柄を感じるよ。最後に、日本のファンにメッセージをお願いできるかな。

「もちろん。自分にとって日本の『武士道』はとても大切なものです。子供のころは感情に任せた暴れん坊の少年でした。でも『武士道』と出会ってから精神の大切さ、自分自身を制することの大切さを知ることが出来ました。このような教えを与えてくれた日本と、応援してくれている日本のファンの皆さんに、心より感謝しています。

 これからはUFCで戦いますが、RIZIN出身のファイターがUFCでも活躍することで、RIZINのスタッフの方々、日本のRIZINファンの皆さまに恩返しが出来ればと思っています。私はこれからも戦います。是非これからも見守ってください。応援をよろしくお願いします!」
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